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「―――成る程?」 夜。 美奈代は二宮の私室へ呼び出された。 否。 正確には、部屋から拉致られた挙げ句、ここに連行されてきたのだ。 パイプ椅子に座らされ、テーブルに置かれたライトを浴びる美奈代は、何故か女性教官達に取り囲まれていた。 教官達の殺気だった視線を一身に浴びる美奈代は生きた心地がしない。 警察の取調室の方が、まだ心地いいだろうな。と、美奈代は心底そう思いつつ、浴びせられる質問に答えるしかなかった。 「了解した」 そう答えたのは、座学担当の牧野中尉だ。 先に搭乗した“雛鎧(すうがい)”のMC(メサイアコントローラー)を担当してもらった人物だ。 「尋問は終わりました」 椅子から立ち上がった牧野中尉が振り返った先には、机に両肘を乗せ、手を組んで顔の前に置くという、某国連特務機関の最高司令官の如き姿勢をとる二宮がいた。 「―――調書を読み上げなさい」 「はっ。二宮閣下(ヘル・ニノミヤ)。」 牧野中尉は恭しく頭を下げた。 「―――被告は我が訓練校第七分隊所属候補生であります。 この者は、我が訓練校に属する女性として背いてはならない教義に反した容疑がかけられています。 曰く、被害者、第一分隊染谷隊長に対する売春行為未遂及び訓練校への背信行為。 この裏付けは、すでに容疑者の自白で十分と判断しています。 この事態に際し、わが独身女性保護同盟最高評議会は、いかにして容疑者が被害者をたぶらかしたかを徹底的に調べ上げた後、然るべき処置を」 「回りくどい」 二宮は姿勢を崩すことなく言った。 「結論を述べなさい」 「このガキ!候補生の分際でオトコたぶらかしやがって、羨ましいんですっ!」 「実にわかりやすい。報告は簡潔にして要領を得ていないとな」 「……あのぉ」 「泉」 「……はい」 「で?どうやって、染谷をたぶらかした?」 「べ、別にたぶらかしてなんて!」 「―――質問を変えよう」 二宮はどこからかハンマーを取り出し、美奈代の脳天めがけて振りかぶった牧野達を手で制しながら言った。 「染谷と初めて会話したのはいつだ?」 「え?えっと……?」 美奈代は、四方で振り上げられたハンマーにおびえつつ、ようやく思い出した。 「あの……5月の強歩訓練の時、水を配っていた時だと」 「ああ。図々しく生理中を理由にさぼった時だな」 「さぼってませんっ!」 「なら、5月に2回も生理が来たのは何故だ?」 「……うっ」 「それで?」 「お疲れさまです……って、確かその程度」 「それ以降は?」 「時々、すれ違い様に敬礼する程度で」 「……むぅ」 「二宮閣下(ヘル・ニノミヤ)」 二宮の斜め後ろに立つ女性士官が書類を挟んだバインダーを手渡しつつ、 「ILOからの情報です。容疑者が自白しました」 「あ、ILO?あの……二宮教官は、パレスチナに何か?」 「パレスチナは既に人の住めるところではあるまい」 二宮は書類に目を通しながら言った。 「“いたたまれないほど、ロンリーな、男達”の略でILOだ」 「いっそ合コンとか……どうです?」 皆さん、そのILOの女版でしょう?という言葉だけはかろうじて飲み込んだ。 「私達は高い理想に生きることを誓った女達だ。妥協はしない―――どれ」 「……」 いろいろ言いたいことはあるが、生きてここを出たければ、下手なことは言うべきではないだろう。 美奈代はそう思ったので黙った。 「……成る程?」 二宮は書類から視線を外し、言った。 「染谷はILO候補生実働隊により袋だたき、つるし上げを受けた後、医療隊の適切な処置により投与されたクスリにより自白した。それによると」 ゴクッ。 女性士官達が固唾を呑んで二宮の言葉を待つ。 「染谷は入営の際、泉を見初めた。つまり―――」 ジロッ! 刺す様な視線が恐ろしく痛い。 「一目惚れしたんだ」 なっ!? が、外見が全てなの!? 私の方が美人なのにっ! こんな小便臭いガキのくせに!? 「わ、私が悪いんですか!?」 まるで一方的に美奈代が悪い!と言わんばかりの声に、美奈代はそう抗議するのが精一杯だ。 「泉は、亡くなった染谷の母親の、若い頃にそっくりなんだそうだ。 そんなこともあって、その後も、気になって事あるごとに見ていたら、自然と異性として意識するようになった。つまり、好きになったと自覚した」 染谷候補生はマザコンだったのか!? なら、母性の魅力でたぶらかせば! 「……」 一体、何なんだ? 美奈代は泣きたくなった。 自分はまだ、デートもしていない。 告白なんてされてもいない。 ただ、自分を好きになってくれた人がいてくれた事を知っただけだ。 た、確かに、フェアレディと聞いてすぐに車しか思いつかなかったのは、よく考えれば、女の子としてどうかとは思う。 それでも、デートの誘いらしいものは受けたんだ。 それは、一人の女の子として、喜ぶべきことのはずなのに、こんな風に吊し上げられるなんて、あんまりだ。 外見に自信は全くない。 ここに来るまで、男子生徒は皆、騎士だという理由だけで近づくことさえなかった。 早瀬じゃないけど、これはもしかしたら、千載一遇のチャンスなのかもしれない。 実際、美奈代は少しそう思う。 ただ、そう思った直後にこれだ。 私は―――まともな恋愛が出来ないのか? 「二宮閣下(ヘル・ニノミヤ)」 美奈代の瞳から涙がこぼれそうになった時、部屋のインターフォンが鳴り響いた。 「校長からです」 「貸せ―――閣下?染谷が死にましたか?―――はっ!?」 二宮があきれ顔になった。 「今、この時間にですか?……はい。わかりました」 受話器を戻すと、二宮は立ち上がった。 「泉」 「……ぐすっ。はい?」 「もういいぞ」 「へ?」 「閣下!?」 「すぐに部屋に戻って、神城三姉妹をたたき起こして教官室へつれてこい」 「神城達を?」 「―――連中の玩具がきた」 ●数日後の朝 食堂 演習が終わったら、候補生達にも、そろそろと進路に関する内示が出はじめる時期だ。 壁には内定が出た者が張り出されている。 染谷はメサイア第一中隊の配属が内定。壁に張り紙が出ている。 美奈代は、デートで何とお祝いを言うべきか悩みながら、沢庵をかじっていた。 その目の前で、 「眠い……」 茶碗を持ちながらうつらうつらするのは双葉だ。 一葉と光葉はご飯を食べながら器用に船をこいでいる。 「最近、夜になると別行動だけど、どうしたんだ?」 美奈代は訊ねた。 「うん……明日から私達三人、本格的にカリキュラムが別になるって」 「……へ?」 「昨晩ね?」 双葉は言った。 「新型のシミュレーターが入ったんだよ。それの本格訓練」 「新型のシミュレーター?」 「うん。何だか、戦闘機みたいなヤツ。普通のSTRシステムじゃないの」 「私達、何も聞いていないぞ?」 美奈代は横にいたさつきの顔を見た。 さつきは無言で首を横に振った。 「私達三人専用だって」 「すごいじゃん!」 びっくりした様子でさつきは言った。 「カスタムモデルが与えられるってことは、双葉達、特務部隊(スペシャルフォース)配属でしょ!?」 「シミュレーターはゲームみたいで楽しいけど、それより眠いよぉ……」 「戦闘機といっていたな」 「うん……あんまりしゃべるなって言われているけど、普通のメサイアじゃないよ。手足ないし……大型の戦闘機みたいなヤツ。私達はみんな、大好きになったけどね」 ふわぁぁっ……と、生あくびをした双葉を前に、美奈代は少し複雑な顔になった。 「神城達も内定……か」 「私達は、後方勤務かな」さつきは、どこかほっとした顔でお茶をすすった。 「宗像も、二宮教官と一緒に中央に面接に行って、今朝帰ってくるけど」 「あいつも、どうなるんだろうなぁ」 「普通の部隊に行っても、あの素行だからねぇ」 おおっ! 不意に、食堂にいた生徒達から、そんな歓声が上がった。 見ると、脚立に登った長野が、壁に八切サイズの半紙を貼り付けていた。 祝内定 内親王護衛隊 第七分隊 宗像理沙候補生 「内親王護衛隊(レイナガーズ)!?」 美晴が目を見張ったのも無理はない。 内親王にして近衛最高司令官である麗菜内親王の親衛部隊、それが内親王護衛隊。近衛最強部隊たる天皇護衛隊(オールドガーズ)と肩を並べるエリート部隊だ。 しかも、女性のみで編成された珍しい部隊でもある。 とにかく、普通ならば、候補生から直接入れる部隊ではない。 「さっすが宗像!」 思わずさつきは言った。 「レズが身を助けた!」 「おい。二宮教官の古巣でしょ?それなら教官も」 言いかけて、美奈代の思考は止まった。 「つまり……二宮教官って実は」 「あれ?泉知らないの?」さつきは、おや?という顔になった。 「二宮教官の別名」 「?」 「……白百合の守護者。つまり」 きょろきょろと辺りを見回した後、テーブルに身を乗り出して小声で言った。 「教官は両刀なんだよ」 「うぞっ!?」 「本当だって……一時は麗菜殿下のお手つきだったって聞いたこともあるし」 「……」 宮内省近衛府 富士学校校舎 「……さて、今日の授業に入る前に、お前達の罰ゲームの件だが」 二宮はわざとらしい咳払いをした。 「よくやった……とでも言っておく」 美奈代達の罰ゲーム―――コスプレ接待の件だ。 「第一分隊撃破によって、全てはお流れだ」 「それにしても教官」 山崎が挙手の後、訊ねた。 「連中はどうして定数で参加しなかったのですか?」 「“幻龍(げんりゅう)”を使いこなせたのがあの三人だけだった。それだけだ」 二宮はにべもない。 「それであの」という美奈代の声に、 「そうか!」 二宮はうれしそうに頷いた。 「そんなに行きたかったのか!」 「へ?」 美奈代達は思わず、皆で顔を見合わせた。 「……いえ、私達が」 「志願します!?教官としてうれしいぞ!」 「き、聞いてないし」 「アフリカ行き。予定では1週間後だ」 二宮は早口で言った。 「第一分隊とお前達、それと動ける連中かき集めたら丁度、定数がそろった」 「……へ?」 「後で正式に伝えるが、お前達の任務は、中央アフリカに巣くう中型妖魔達の掃討になる」 ポカン。とする美奈代達に、二宮は事務的に伝えた。 「今日の座学では、向こうで恥を掻かないよう、妖魔共の呼称について学習する。今後、授業以外の発言は認めない。まず、敵全体の呼称は魔族軍―――“悪魔”の“魔”に“暴走族”の“族”だ」 ―――せめて“家族”の“族”と呼びましょうよ……教官。 さつきは口の中でそう呟く程度に抑えた。 「人型を魔族とし、それ以外は“妖魔”とする。分類に困ったらとりあえず妖魔としておけ」 「でも、悪魔なんでしょう?」 美晴が聞いた。 「いっそ、お祓いとかききませんか?悪魔なんて、エクソシストにでもお祓いしてもらえば一発で」 「柏―――どうして“あいつ等”を、一々、魔族だの妖魔と呼ぶかよく考えろ」 「えっ?」 「今、暴れているのは、宗教上の存在じゃないからだ」 「ど、どういうことです?」 美晴には意味がわからない。 「だって、突然現れた怪物ですよ?」 「それが悪魔だと呼ぶ連中は、世界中のあちこちにいる。だが違う。あれは異世界の生命体であることが、すでに判明している」 「―――悪魔と、どう違うんですか?」 「あっちは神様の対、魔族は異世界である魔界の住人に過ぎない。我々人類が戦っているのは、そういう連中だ。この魔族と魔族に率いられた敵勢力の呼称は、魔族軍となる。覚えておけ」 「妖魔……魔族……魔族軍」 「そうだ。その魔族軍を構成するのは、体長30メートル以上の大型妖魔、10メートル級の中型妖魔、そして3メートル以下の小型妖魔、別には身長170センチ程度の人類サイズが確認されており―――」 二宮が黒板に大判の写真を貼り付ける。 「見ていて、あまり気分のいいものではないが―――慣れるだろう」 一体、二宮はファンタジー映画の販促でも始めたのか? そう、聞きたくなる写真達が貼り付けられていく。 西洋の甲冑をまとった犬面のバケモノや、表現出来ない異形の怪物達の写真。 無論、もしこれが出来の悪いファンタジー映画の敵なら、ポップコーンとコーラでも片手に楽しむことも出来るだろう。 だが、これは現実なのだ。 こんな化け物が、遠いアフリカの地とはいえ、現実世界でうごめいていること自体が信じられない。 「種類は様々だ」 写真を貼り終えた二宮は、教え子達に向き直った。 「この授業では、国連において名称の統一が終わった種類だけを紹介する」 教え子達は無言で頷く。 「まず、この犬面豚鼻の人型は、“オーク”の呼称で統一された。 移動力は低いが、腕力は騎士並。 ダメージに強く。腕の一本切り落とした程度では暴れるのを止めようとはしない。 甲冑を貫通したければ、近距離でのフルメタルジャケット弾使用は必須。 故に、こいつらとまともに戦いたければ、12.7ミリの対戦車銃が望ましい。 覚えておけ? メサイアに搭載される白兵戦闘用小銃では連中に対抗出来ない。 早めにアンチマテリアルライフルの搭載を申請しろ。使い方は覚えているな?―――泉っ!」 「はっ!はいっ!?」 完全に眠る一歩手前だった美奈代は反射的に飛び起き、立ち上がった。 ショックで膝を机にイヤという程ぶつけた痛みに顔を歪める。 「覚えているな!?」 「はいっ!」 美奈代は顔をしかめながら怒鳴った。 「たった今、忘れましたっ!」 「教官、それじゃ、どうしろというんですか?あんなデカブツ担いで逃げ回れと?」 「宗像。食べられる前に、口に銃口くわえて引き金を引け。それさえ恐ければ、手榴弾の安全ピンを引っこ抜いて、目をつむれ。お祈りしている間に―――楽になれる」 「……」 要するに、そんな事態に陥らないようにしろ。 そういうことだと、美奈代達は判断した。 メサイアが擱座(かくざ)して、敵に取り囲まれるなんて、普通の戦争でも勘弁してほしい。 そういうものだ。 「我々は、あくまでメサイアで戦うのが任務ではあるが、しかし、知識として知っておくことは大切だ。 オーク共の主な武器は刀剣類と弓。 弓は長弓とクロスボウ。 クロスボウは、各種サイズがあり、我々の使用する自動小銃と同程度からそれ以上の破壊力を持つことは判明している。 長弓は魔力付与した矢を毎分10発程度発射可能。 連射性は低いが、射程はかなり長い上に、破壊力も高い。 現在確認されている限りでは、砲撃に使用した場合、有効射程距離3万メートル、対空兵器として用いた場合、高度1万メートルを飛行中の航空機を撃墜するほどだ。 ……まぁ、対空・対地双方において厄介な代物だ」 「教官、剣や槍は?」 「騎士が用いるそれとほぼ同程度。 蛇足だが、こいつらオークを、魔族軍は槍兵、剣兵、クロスボウを装備する弩兵(どへい)、長弓兵という感じで、装備によって兵種を分けているらしいことも判明している」 「……本当に軍隊なんですね」 感心したような美晴の声に、二宮は頷いた。 「顔が顔だからといって、なめると痛い目にあうぞ?―――次」 二宮は次に、オークの横に並ぶ写真を突いた。 「スライム。 毒性の強い溶解液の動く塊だ。 廃墟になった都市部にて多数確認されている。 こいつに触れられるだけで助からないと思え。 万一、肌に触れた場合、触れたカ所をすみやかに切断しないと、数時間で全身に毒が回り、発狂して死ぬ。小銃弾は効かない。テルミット弾か火炎放射器で焼き殺すしかない 「……」 「他にもいろいろと確認されているが、とりあえず、次は、我々が危惧すべきサイズの中型以上の妖魔達の説明に移る」 二宮は、写真を眺めた後、続けた。 「中型妖魔の定義は、全長10メートルサイズを指す。 たとえば、コイツは6本脚のサソリ型“トゥース”。 コイツの脚の一撃は、主力戦車の正面装甲すらブチ抜く。メサイアでさえ、下手に接近されたらアウトだ」 銀色に輝く装甲の如き外骨格に鋭い爪を持つ巨大なサソリの写真を、二宮は指示棒で突いた。 「退治するなら、12.7ミリ以上。可能なら20ミリ以上の大口径機関砲が望ましい。こいつの機動性は自動車並み。脚が多い分、かなり複雑にして高いレベルの機動が可能だ」 「……質問」 手を挙げたのは、何と祷子だった。 「風間。珍しく居眠りしていないのは感心だ」 「……」 「質問だろう?どうした?眉間にしわをよせて」 「あの……騎士はいないんですか?」 「純粋な騎士の存在は確認されていないが、魔族は騎士と同等、もしくはそれ以上の戦闘能力を持つことが確認されている。しかも」 不意の二宮の沈黙。 それが、美奈代達の不安をかき立てた。 「……あの、まさかとは思いますが」 美晴は恐る恐る手を挙げた。 「魔法騎士とか?」 「……そうだ。そして」 「敵にメサイアが存在する可能性があるなんて……?」 二宮は、じっ。と美晴を見た後、頷いた。 「ありうる話になるだろうな」 「だったら」 そんな二宮に、さつきは口元を歪めながら言った。 「今頃、世界のどこかで、魔族のメサイアがご登場してるかもしれませんね」 「そんな立場に立ちたいのか?早瀬」 「絶対、イヤです」 「―――同感だ」 「つまり、我々のアフリカでの相手はこいつら?」 「そうだ」 「……質問があります」 美奈代は、棒読み同然の口調で右手を挙げた。 「生理その他、いかなる理由があろうとも、訓練課程の総仕上げである最終演習は参加が義務づけられている。日本に残る連中も実戦部隊相手に演習だ」 二宮はきっぱりと、反論を許さない厳しい口調で言った。 「退学という選択肢は、死亡以外では認めない。逃亡は問答無用で銃殺だ」 「……どうして」 美奈代は泣きそうな顔になった。 「戦闘経験豊富な実戦部隊ではなく、我々が?」 「その問題に対する答えを出せ」 「……対メサイア戦ではなく」 美奈代は本当に涙声で言った。 「単なる妖魔掃討作戦である以上、ベテランが参加するより、新兵の経験値確保の格好の機会だと上層部が見なしている」 「私の説明が必要か?」 「……当たっているなら結構です」 「ただし」 二宮は言った。 「―――風間」 「は……はい?」 ぼんやりした顔で話を聞いていた祷子は、思わず自分を指さした。 「私ですか?」 「神代達も別カリキュラムに回るが、お前もそうなることが決定した。お前は今回の演習には参加しない。内地で別なカリキュラムに入ってもらう」 「え?」 「ちょっ!?」 さつきが真っ青になって立ち上がった。 「き、教官!?それってまさか!」 「落ち着け早瀬―――別に風間がクビとか、そういうわけじゃない。風間は他の候補生とは違う所に送る」 「精神病院?」 「聞こえているぞ泉。これは軍機に抵触するため、本人のみに内容は告げることになる。風間、あとで残れ」 「……はぁ」 祷子は、どうにも理解できない。という顔で小首を傾げた。 「―――まぁ、風間も苦労するだろうが頑張ってもらうとして、問題は他の全員の演習だ」 「あ……あの?」 ようやく話が見えたらしい。さつきが恐る恐るという顔で手を挙げた。 「つまり、私達?」 「メサイアの操縦は戦闘機動訓練も終わっている」 二宮は言った。 「広域火焔掃射装置(スイーパーズフレイム)の使い方は明日から始める」 「……妖魔焼却のためですか?」 「宗像、その通りだ」 「我々だけ?」 「第二中隊より護衛が6騎、それから我々教官騎も出る。基本的には“征龍(せいりゅう)”及び“雛鎧(すうがい)”。一部生徒には“幻龍(げんりゅう)”が与えられる」 「“幻龍(げんりゅう)”は第一分隊?」 「そうだ」二宮は頷いた。 「欲しかったら、もう少し我々教官達の受けを良くしておくべきだったな。該当地域制圧完了までが期間だ。1日で終わるか100年かかるかは神様仏様司令部様次第だ」 「……」 「富士学校は、もし、何かの間違いで貴様等が生き延びた場合のみ、卒業を認める方針だ。アフリカまで一月ほどの船旅の間、みっちり実騎訓練してやるから楽しみにしていろ」 「……で」 それまで、腕組みをして話を聞いていた宗像が、まるで念を押すような口調で訊ねた。 「我々はメサイアに乗って、広域火焔掃射装置(スイーパーズフレイム)で敵を焼き殺すだけ。対メサイア戦はないということですね?」 「ああ」 二宮は頷いた。 「演習としては簡単な方だ。私の場合はホンモノの対メサイア戦だった。各分隊までは、回された可動騎をローテーションを組んで使用した出撃となる」 「第一と、我々は?」 「第一分隊はともかく、お前等女性騎士と他の分隊の男性騎士がコクピットを共用で使い回すことは問題がある。富士学校所属騎を動かすから感謝するように」 「まさか」 「そうだ♪」 二宮は楽しげに言った。 「お前達の棺桶は、“雛鎧(すうがい)”だ」
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ブースターパック トライアルデッキ プロモーションカード 関連カード 関連項目 ブースターパック 「セガ」 番号 カード名 レベル レアリティ SG/081 アリシア・メルキオット/偵察兵 3 RR SG/082 イサラ・ギュンター/戦車操縦手兼整備士 3 RR SG/083 セルベリア・ブレス/若き女指揮官 3 RR SG/084 アリシア&ウェルキン/愛しい気持ち 3 RR,SR SG/085 ウェルキン・ギュンター/ガリアの英雄 2 R SG/086 マクシミリアン/帝国軍 ガリア方面軍総司令官 2 R SG/087 セルベリア・ブレス/マクシミリアンの懐刀 1 R SG/088 エーデルワイス号/2人の父が遺した高性能戦車 4 R SG/089 ロージー/突撃兵 1 U SG/090 ラルゴ・ポッテル/対戦車兵 3 U SG/091 エレノア・バーロット/義勇軍中隊長 2 U SG/092 ファルディオ・ランツァート/義勇軍 第1小隊隊長 1 U SG/093 ウェルキン・ギュンター/軍人らしくない義勇軍小隊長 1 C SG/094 アリシア・メルキオット/第7小隊のヒロイン 2 C SG/095 イサラ・ギュンター/天性の技術者 1 C SG/096 ロージー/元酒場の歌姫 2 C SG/097 ラルゴ・ポッテル/第一次大戦からの古参兵 2 C SG/098 エレノア・バーロット/元優秀な狙撃兵 1 C SG/099 コーデリア姫/ヴァルキュリアの末裔 3 C SG/100 マクシミリアン/人造ヴァルキュリア 3 C トライアルデッキ 「セガ」 番号 カード名 レベル 収録数 SG/T13 ウェルキン・ギュンター/軍人らしくない義勇軍小隊長 1 4 SG/T14 アリシア・メルキオット/第7小隊のヒロイン 2 4 SG/105 イレーヌ・エレット/第7小隊の従軍記者 1 1 SG/106 セルベリア・ブレス/伝説のヴァルキュリア人 2 1 プロモーションカード 番号 カード名 レベル SG/P02 アリシア&ウェルキン/ガリア公国義勇軍第3中隊第7小隊 2 関連カード 強化SG/089 ロージー/突撃兵あなたのベンチの『戦場のヴァルキュリア』のカード1枚につき、このカードを+500/+1000。 除去SG/087 セルベリア・ブレス/マクシミリアンの懐刀【スパーク】あなたは相手のフィールドのカードを、あなたのリタイヤ置場の『戦場のヴァルキュリア』のカードと同じ枚数選び、相手の控え室に置く。 サーチSG/084 アリシア&ウェルキン/愛しい気持ち【スパーク】あなたは自分の山札を見て『戦場のヴァルキュリア』のカードを1枚まで選んで相手に見せ、残りの山札をシャッフルし、選んだカードをその山札の上に置く。 関連項目 主な技属性《軍》 名前別リスト名前に“ギュンター”を含むカード 名前に“アリシア”を含むカード
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《サイバー・ライトニング・ヴァルキリア》 効果モンスター 星4/光属性/戦士族/攻2600/守 0 このカードは「増援」「戦士の生還」の効果で手札に加えることができない。 このカードのコントローラーは、目をつぶってデュエルしなければならない。 目をあけた場合、またはカードを置く位置を間違えた場合、このカードを破壊する。 このカードは「スキルドレイン」の効果を受けない。 part15-427 名前 コメント
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「さあ、踊りましょう。運命という決められた舞台の上で・・・」 種族 ヴァルキュリア 性別 女性・人型 出身 何処かにある湖と森に囲まれた館 性格 少々気まぐれ 年齢 不詳 【概要】 腰までの黒髪、目の色が紫 服装はゴスロリor白か黒のロングドレス 趣味は読書、料理、ガーデニング 大抵、仕事か読書をしている 仕事は人の魂に関すること等。 館が良家らしく、給料は家を通してでないと回ってこないらしい。 色恋沙汰に興味は無いらしいが、見たり読んだりはある程度好きらしい。 【ワルキューレ】から転生 【進化】 考えながらなので詳しくは決まっておりません。 【裏】 戦場のヴァルキュリアとは関係ありませんのであしからず。 まあ、自分の趣味です、はい。
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戦場のヴァルキュリア part44-26~31,45~50,63~68,78~79,81~84,87~91,106~110 26 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/07(土) 00 13 54 ID Pkq2uv+m0 序章・終章含めて19章。1章1レス+用語解説(これ)で20レスくらいになるかと。 まずは頻出する用語の解説から。 ガリア公国:本作の舞台。連邦と帝国の間に位置し、どちらにも属さない武装中立国家。 第二次ヨーロッパ大戦の最中、豊富なラグナイト資源を狙った帝国の侵攻を受ける。 国民皆兵制度を敷いており、小・中・高・大学で軍事教練が必修。さらに中学校までは 義務教育であるため、国民全員が戦闘の基礎を習得している事になる。 位置的にはオランダ~ドイツ辺りの海沿いだけど、世界地図が現実の物と多少違うので はっきり 「この場所」 とは言い切れない。 東ヨーロッパ帝国連合:通称 『帝国』 ヨーロッパ統一を目指す君主制国家。デカイ。強い。 連邦のみならずガリア公国含む周辺諸国へも侵攻。本作のメイン敵国になる。 大西洋連邦機構:通称 『連邦』 ヨーロッパ西側の共和制国家の集合体。領土は帝国より 狭く(それでもガリアに比べれば超デカイが) 戦車開発等においても帝国に遅れをとる。 秘密条約など、まっとうでない手段によって国土を拡大してきたとも言われる。 第二次ヨーロッパ大戦:征暦1935年に勃発し、ヨーロッパ全土を巻き込んだ戦争になる。 (と言っても帝国と連邦でほぼヨーロッパ全土なんだが) 原因はラグナイト資源争い。 「第二次」 という事は第一次もあるわけで、これもやはり帝国と連邦の戦争だった。 第一次の時もガリア公国は帝国による侵攻を受けているが、独立を守り通している。 ラグナイト:燃料や動力、爆薬から治療薬など何にでもなる鉱物資源。青く発光する。 ダルクス人:数千年前、邪法を使って100の都市と100万の人畜を焼き払ったと伝えられ それを理由に様々な迫害を受けている民族。工業や鉱業などの重労働に就く者が多く (というか迫害ゆえにそういった仕事にしか就けない) 「油くさい」 などと揶揄される。 紺色の髪と伝統的な文様の入った布 (ストール等) の装いを特徴とする。 ヴァルキュリア人:北方より現れてダルクス人を倒し、ヨーロッパを救ったとされる人々。 ラグナイトを原料とする武器を用い、戦闘時には青い光を放って人間離れした能力を 見せたと言うが、現在の認識はほとんど御伽噺か伝説上の存在に近い。 この世界の 「征暦」 はヴァルキュリア人がヨーロッパを平定した年を紀元としている。 27 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/07(土) 00 17 23 ID Pkq2uv+m0 【序章:開戦】 帝国との国境近いブルールの街。帝国の宣戦布告を受け、人々はこの先来るだろう 戦火を避けるために街を離れ始めている。 街を去る人々の流れの中、一人逆に街に向かう青年がいた。 川の傍に座って手帳に何か書き出した彼を、見回り中のブルール自警団が拘束する。 ウェルキンと名乗る青年は 「魚のスケッチをしていただけ」 と言い、事実手帳の中は 魚や花、虫のスケッチばかりだったが、自警団分隊長のアリシアは容易には信じない。 自警団詰め所へ連行する途中、ウェルキンに声をかける少女が現れる。 アリシアは、彼女がギュンター将軍の娘、イサラ・ギュンターである事に気づく。 まだ疎開してなかったの? と訊ねるアリシアに、イサラは兄が今日迎えに来る事に なっている、と答える。その 「兄」 が、つまりはウェルキンだった。 驚き、むくれつつも自分の勘違いを謝るアリシア。 昔から自然が好きで、今は首都の大学で学んでいると言うウェルキンは、 「自分も誰かに観察されているかも知れないって事を、覚えておくよ」 と言って笑う。 そこへ帝国の偵察部隊がやってくる。街を去ろうとしていた人々が銃弾に倒れていく中、 アリシアは倒れた自警団員の銃をウェルキンに渡し、戦力に加えて帝国兵を撃退する。 戦いが終わった後、部下の自警団員に倒した帝国兵の遺体を埋葬するように言って、 アリシアは手に持っていたコナユキソウの種を風に乗せた。 街の人を守るには戦うしかない。でも、命を奪い合っていただけではなく、新しい命も この時代に生まれていた事を、戦争が終わって振り返った時に思い出したい。 飛んでいく種の綿毛を見ながら彼女はそう言った。 28 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/07(土) 00 17 52 ID Pkq2uv+m0 【一章:ブルール防衛戦】 アリシアと別れ、家に戻ったウェルキンとイサラは使用人のマーサに迎えられる。 身重の彼女をウェルキンは気遣うが、当人は 「もう5人目だから慣れたもの」 と笑う。 そこへアリシアが登場。さっきのお詫び、と渡されたパンは、パン屋に住み込みで 働いているアリシア自身が焼いたものだった。 家に迎え入れられたアリシアは、壁にかけられた一枚の写真を見つける。 写っているのは二人の男性。一人はウェルキンの父、第一次ヨーロッパ大戦の中で ガリアの独立維持に大きく貢献した英雄、ベルゲン・ギュンター将軍(既に故人) もう一人の事を訊ねると、イサラが私の父ですと答える。父は将軍の戦車を設計した 技師だった。でも生まれてすぐに両親は事故で他界してしまい、将軍が養子として 自分を引き取り、育ててくれたのだと言う。 立ち入った事を聞いた、と言うアリシアに、気にしないで下さいと笑うイサラ。 時間を見て辞去しようとするアリシアをウェルキンが送っていく。 「お父さんの様に軍人にはならないの?」 と言うアリシアの問いに、ウェルキンは 自分は教師になりたいんだと答える。そして自分なりの方法でこの国を守りたいと。 自分なりの、という言葉にアリシアが考え込んだ時、砲撃音が響く。 ブルールの中心に位置し、街の象徴でもあった親子風車が崩れ落ち、帝国兵が 街に突入してくる。自警団員を集め、敵を食い止めに向かうアリシアとウェルキン。 だが戦車まで加わった帝国側の圧倒的な火力は、自警団の抵抗を物ともしない。 アリシアはウェルキンに脱出するように言い、尚も自警団員を率いて抵抗を続ける。 ウェルキンはまだイサラとマーサがいるはずの家へと向かって走り出した。 29 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/07(土) 00 18 17 ID Pkq2uv+m0 【二章:ブルール撤退戦】 家には既に帝国兵が侵入していた。倒れているマーサを庇って立つイサラを見て そのストールから彼女をダルクス人だと知った兵士が侮蔑の言葉を吐く。 そんな兵士達の隙をついて銃を手に取るイサラ。兵士の注意が彼女に向いた時、 ウェルキンが駆けつける。柵の柱を引き抜いただけの即席の棍棒で一人を倒し、 もう一人が応戦しようとした所に銃声が鳴る。引き金を引いたのはイサラだった。 悪態をついて兵士が倒れる。 マーサに駆け寄る二人。既に陣痛が始まっていて動かすのは危険な状態。 そんな時にイサラは納屋に行こうと言い出す。 「父さんたちが残してくれたものが、私たちを助けてくれるはずです」 納屋には一両の戦車があった。イサラの父、テイマーがギュンター将軍のために ただ一両だけ製造したエーデルワイス号。 10年も動かしていない物だが、いつでも動かせるように整備はしてあると言う。 軍事教練で整備を選択し、戦車操縦技能も持つイサラが操縦手兼無線手を担当、 高校で機甲訓練コースを選択していたウェルキンを戦車長兼砲手として、内部に マーサを保護した状態で出撃。 ブルール住民の非難経路を守っていたアリシア達と合流し、帝国戦車を破壊。 時間を稼ぎつつブルールから撤退する。 その間、マーサの子供はなんと戦車の中で生まれてしまっていた。 結局奇襲から2時間足らずで制圧されたブルールを眺めるアリシアとウェルキン。 ウェルキンは、自然から生き物の種族を超えた共存の仕組みを知りたいと言う。 人の生活に活かせるかもしれない。そして教師になれた時それを皆に伝えたいと。 そこへマーサから子供を預かったイサラが赤ん坊を抱いて現れる。 これから離れる故郷を赤ん坊に見せ、きっとここへ帰ってこようと三人は頷き合う。 30 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/07(土) 00 18 38 ID Pkq2uv+m0 【三章:ヴァーゼル市街地戦】 ガリア公国東部国境を越えた帝国軍は、要害・ギルランダイオ要塞を始めとした ガリア東部の要所を次々と制圧していく。その中、ブルールを脱出した住民たちは ガリア公国首都、ランドグリーズへと避難していた。 国民皆兵制度に基き、ウェルキンとアリシアは義勇軍として軍に配属される。 ウェルキンは義勇軍第3中隊・第7小隊長に任ぜられる。階級は少尉。 アリシアもウェルキン付きの下士官として第7小隊に配属される。階級は軍曹。 出頭前、アリシアは着慣れない軍服姿の感想をウェルキンに求める。 腰部装甲がカブトムシみたいでかっこいい、とズレた(でも本気の)誉め方をする ウェルキンに呆れるが、頭部のスカーフ(登場時からずっとつけている)について 訊ねられると気を取り直して答える。 パン屋で働いていた時のスカーフである事。その頃の気持ちを忘れたくなくて また働ける時までつけていようと思っている事。 再びパン屋で働ける日が来たら買いに行くよ、とウェルキンは約束する。 義勇軍第3中隊長エレノア・バーロット大尉の下に出頭した際、ウェルキンは 第1小隊長として配属されていた学友、ファルディオ・ランツァートと再会する。 義勇軍としての初戦は、首都近郊の重要拠点・ヴァーゼル橋の奪還。 作戦会議中わざわざ嫌味を言いにきた総司令官・ダモン将軍をバーロットが 皮肉で追い返し、ファルディオは義勇軍を寄せ集めと見下すダモンの態度に 不快感と、ガリア軍が一枚岩でない事への懸念を露にする。 その会議で第7小隊に下された初任務は、ヴァーゼル橋奪還の前段階として 橋の西岸に構築された帝国軍拠点を制圧する事。 小隊に配属された部下、古参の対戦車兵ラルゴや突撃兵ロージー、そして エーデルワイス号の操縦手兼無線手として配属されたイサラ達を率いて 速やかに作戦を完了したウェルキンに、一人の女性が近付く。 従軍記者・エレット。突然の、そして矢継ぎ早の質問にうろたえるウェルキン。 そんなウェルキンを、ラルゴとロージーが冷ややかな目で見ていた。 余談:このゲームは「ガリア戦線記」と言う本を紐解く形で進行していく。 この本の著者が今回登場したエレットである(別名で書いてるけど) 31 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/07(土) 00 19 17 ID Pkq2uv+m0 とりあえず今回ここまで。読み易くなってると良いけどどうかなぁ。 このゲーム、クリアした分のイベントは後からいつでも見られるから 詳細の確認が楽でいいw 45 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/08(日) 01 00 30 ID Atd01Nkr0 空いてるようなので戦ヴァル第二陣投下します 46 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/08(日) 01 00 56 ID Atd01Nkr0 【四章:「春の嵐」作戦】 ヴァーゼル橋の西岸を確保し、橋を奪還する足がかりを得たガリア軍。 次は正規軍との合同作戦で橋そのものの奪還にかかる事になる。 義勇軍に与えられた任務は橋東岸の帝国軍拠点を制圧する事。 しかし橋上には帝国軍の橋頭堡が幾重にも築かれている。 これらを突破する際に、正規軍からの援助はあるのかと訊ねるファルディオに、 バーロット大尉は首を振る。正規軍は、義勇軍が敵の橋頭堡を攻略した段階で 攻勢を開始する。捨て駒扱いに舌打ちするファルディオをバーロットが宥める。 だが彼女自身も、帝国軍の強固な橋頭堡を、被害を抑えつつ突破する方法は 思いつかない。そんな中ウェルキンが橋の偵察を申し出て許可を得る。 そこへアリシアが駆け込んでくる。隊員同士が口論を起こしていて、隊長である ウェルキンに仲裁して欲しい、と言う。 ウェルキンがつれて行かれた先でイサラとロージー、ラルゴが睨み合っていた。 争いの理由は、ダルクス人であるイサラが小隊に参加している事。 ダルクス人なんかと一緒には戦えない、というロージーにイサラが反論する。 口論を止めるウェルキン。 しかしラルゴが、実戦経験の無い坊主の言う事など 誰も聞きやしない、と言う。彼らはウェルキンを隊長と認めてはいなかった。 それを悟ったウェルキンはラルゴに賭けを申し出る。 これから48時間以内にヴァーゼル橋を奪還する。失敗したら隊長を辞任しよう。 「その代わり作戦が成功したら、以後は僕の指示をきちんと聞いてくれるかな」 翌朝早く、ウェルキンは小隊を河岸に集めた。そこで発表された作戦の内容は 朝霧に紛れ、橋ではなく河を渡って東岸に上陸し、帝国軍拠点を落すというもの。 戦車は河を渡れないし、歩兵だけでは拠点は落せない、と反論するラルゴ。 ウェルキンは耐水処置を施したエーデルワイス号を潜水させ、河床を走らせて 東岸に渡すと言う。彼は河の植生から、戦車が渡れる場所を割り出していた。 河岸を警備していた帝国兵は、突然河面を割って現れた戦車に蹴散らされた。 防衛線に穴を空けたウェルキンは対岸に合図を送り、歩兵が一挙に河を渡る。 帝国軍拠点を奇襲・制圧した第7小隊は、ヴァーゼル橋の開閉施設をも占拠。 跳ね橋を強引に上げる事によって戦うことなく橋上の橋頭堡を一掃する。 予想以上に上手くいった作戦に、古参兵たちもウェルキンを認め始める。 ダルクス人への偏見という確執は払拭しきれていないものの、現れたエレットの インタビューに、皆の心を繋ぐ橋のような存在になりたいとウェルキンは答える。 47 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/08(日) 01 01 16 ID Atd01Nkr0 【五章:クローデンの森の戦い】 ヴァーゼル橋を奪還し、戦線を押し戻したガリア軍。それによって帝国軍は ガリア中部に戦力を集めざるを得なくなる。この動きに応じてガリア中部へと 向かう正規軍と離れ、義勇軍はガリア南部へと移動する。 南部の国境付近を覆うクローデンの森。慣れていなければ歩く事さえ困難な この森に、帝国軍がガリア中部侵攻のために建設した補給基地があるという。 その基地を制圧し、帝国軍の補給線を断つ事が作戦の主目的になる。 バーロットの説明を受けつつも困難な森林戦に気の進まないファルディオ。 対してウェルキンは珍しい植物が見られるかもしれないとワクワク気味。 ファルディオは呆れるが、よく見ていればきっと何かのヒントが隠されている というウェルキンの言葉には納得する。 一方の帝国側。本拠であるギルランダイオ要塞の作戦会議室(だと思う) 帝国準皇太子であり、ガリア方面軍総司令官でもあるマクシミリアンを筆頭に、 セルベリア・ブレス大佐、ベルホルト・グレゴール少将、ラディ・イェーガー少将、 それぞれガリア中部、北部、南部侵攻部隊の司令官が出揃っている。 帝国側も、中部に兵力を集めつつもクローデンの森の重要性は察知しており 南部方面軍の指揮を取るイェーガー当人が直に補給基地へ向かう事になる。 視点はガリア側に戻り、既に森に入った第7小隊。 ウェルキンは自然オタクっぷりを発揮し、悪気なくアリシアに山羊のフンを 渡したりして小隊員に呆れられるが、同時に獣道も発見する。 ロージーが元は酒場の歌姫だったなどの他愛無い会話をしながら進む中、 小隊は戦闘の巻き添えで親を失ったハネブタ (羽生えた豚) の子供を拾う。 子豚を抱き上げるアリシアに、連れて行くかい?とウェルキンは声をかける。 僕達は義勇軍なんだから誰が隊員になったっていい、と。 エーデルワイス号を中心に進む本隊と、獣道を進む分隊に別れて進軍。 分隊が対戦車砲を背後から奇襲して無力化し、本隊は基地に肉薄する。 そこで帝国側にイェーガーが到着するが、彼は状況を見て基地の死守は 無意味と判断。基地から必要な物資を引き上げさせる間、自ら矢面に立って 小隊の侵攻を食い止める。最終的に基地は制圧したものの、イェーガーの 指揮する戦車の堅牢さや、その鮮やかな撤退にウェルキンは舌を巻く。 余談:拾われた子ハネブタはハンスと名付けられ、小隊の一員となる。 階級は三等兵(アリシアが勝手に任命) 小隊員に可愛がられつつも ラルゴとのぶつかり稽古とか、訓練(?)もちゃんとしているそうな。 48 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/08(日) 01 01 42 ID Atd01Nkr0 【六章:砂漠の遭遇戦】 今度はガリア中部のバリアス砂漠に派遣された義勇軍第3中隊。 荒れ果てた大地は、ダルクスの災厄で焼き払われた都市の跡だという。 あまりの景色に、災厄の規模と力の大きさを実感する小隊の面々。 この砂漠にある遺跡の周辺に、帝国軍が布陣していると言う情報があり その真偽の確認と、事実だった場合は帝国軍の目的の調査が任務となる。 一方また帝国側。場所はやはりギルランダイオ要塞内の作戦会議室だが いるのはグレゴールとイェーガーの二人のみ。マクシミリアンとセルベリアは バリアス砂漠へ赴いていた。セルベリアを伴って行ったのならば、理由は ヴァルキュリアに関わる事だろうと推測するイェーガー。一方グレゴールは マクシミリアンがヴァルキュリアの力に固執気味である事を懸念する。 対し、イェーガーは力があるならそれだけ道のりは短くなるだろう、と言う。 我が故国のためにも、マクシミリアンには勝ってもらわなければ、と。 再び舞台はバリアス砂漠。発見した帝国軍と交戦に入る第7小隊。 地溝や岩、砂嵐など周囲の環境を利用して帝国軍の拠点を制圧する。 向かった遺跡の前でファルディオと遭遇。大学で考古学を学んでいた彼は 遺跡内部の偵察と調査とを任されていた。彼は、この遺跡は何千年も前に ヴァルキュリア人が作った物だと説明する。聞き入る小隊の皆を尻目に、 一人考え込んでいたウェルキンが突然 「思い出した!」 と大声を上げる。 「ツノオウムガイだ! この遺跡、ツノオウムガイに似てるんだ!」 またか、と呆れるアリシア。 何事も無かったように聞き流して、ファルディオは遺跡内部に入っていく。 ウェルキンとアリシアは、小隊員に周辺の偵察を任せて彼に同行する。 そのころ、当の遺跡の最深部にはマクシミリアンとセルベリアがいた。 青い光を身に纏ったセルベリアに応じ、遺跡の壁にあった古代の文字が 同じ光を以って浮かび上がる。マクシミリアンの問いに答えるセルベリア。 「大地を焼きし 『聖槍』 は、ランドグリーズの地に封じられたり」 頷くマクシミリアンに、どう制御なさるおつもりですか、と訊ねるセルベリア。 マクシミリアンは答える。槍を載せて走るネズミがもうすぐ完成する、と。 「これで我が野望は、夢から確信へと変わった。余は、ヨーロッパに 君臨する王となるのだ」 余談:イェーガーはかつて帝国に併合された小国・フィラルドの出身で 故国の復興・独立を目指してマクシミリアンの幕下に加わっている。 49 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/08(日) 01 03 00 ID Atd01Nkr0 【七章:バリアスの決戦】 遺跡の内部に入る三人。壁面には古代の文字で何かが綴られている。 ファルディオの解読で、この地を襲ったダルクスの災厄を語る文だと分かる。 そしてダルクス人を倒し、ヨーロッパを平定したと言うヴァルキュリア人。 ファルディオの解説を聞きながら、御伽噺だと思っていた、と言うアリシア。 その頃遺跡の外では再びロージーとイサラの衝突が起きていた。 ラルゴの制止で騒ぎには至らなかったが、二人の態度は和解には程遠い。 遺跡調査組は遺跡の最奥部、ヴァルキュリア人のシンボルとも言われている “ヴァルキュリアの螺旋” の前に辿り付く。ここまでただ一人の敵兵にさえ 出会わなかった彼らは、調査を切り上げて外へ戻ろうとする。 その時、突然 “ヴァルキュリアの螺旋” がまるで扉のように開いた。 “螺旋” の前に立っていたアリシアは、ただ手を触れただけだと言う。 遺跡に深部があった事に驚くファルディオ。一行は調査を続けようと奥へ入る。 “螺旋” の先は下へと続く螺旋階段。壁面にはやはり文字が刻まれている。 文字に目を走らせ、愕然とするファルディオ。ウェルキンが内容を訊ねるが、 ファルディオは僅かに間をおいて、ここの文字は自分にも読めない、と答える。 アリシアが気配に気づく。こちらを認めながらも悠然とすれ違って行くのは マクシミリアン。彼の正体に気づく一行。アリシアは銃を抜いてその背中に 照準するものの、彼に付き従うセルベリアが身に纏う青い光に気圧される。 相対したのがヴァーゼルやクローデンの戦いで巧みに帝国軍を破ってきた ウェルキン・ギュンターの隊だと知ったマクシミリアンは、外で雌雄を決しよう、 と言って出て行く。 外に出るとマクシミリアン自身が搭乗する巨大戦車・ゲルビルが現れる。 ガリア側の拠点を、制圧どころか蹂躙しながら進む戦車に手を焼く第7小隊。 ファルディオの第1小隊は、これもやはりセルベリアの部隊に圧倒される。 ゲルビルのラジエーターを破壊しつつ食い下がるが、遂に第1小隊を退けた セルベリアが敵援軍として現れる。銃ではなく、石製にも見える槍と盾を携え 青い光を纏うセルベリア。その姿は伝説のヴァルキュリア人を連想させる。 彼女の猛攻をかわしつつ何とかゲルビルを破壊する第7小隊。 しかし、あろうことか生身に槍と盾で戦車砲すら弾き返すセルベリアを前に、 マクシミリアンを捕える事は適わなかった。 何とか帝国軍を退けはしたものの、受けた被害の大きさと目の当たりにした セルベリアの強大な力に、誰もが暗澹たる思いを抱くのだった。 50 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/08(日) 01 06 55 ID Atd01Nkr0 やっとヴァルキュリア登場したところで今回ここまでー 63 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/11(水) 00 54 59 ID fL/xt6B40 戦ヴァル第三段いきまーす 段々長くなってきた 64 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/11(水) 00 57 33 ID fL/xt6B40 【八章:森林の包囲網】 バリアス砂漠から帰還する途中、突然の砲撃を受けてウェルキンとアリシアは 小隊から逸れてしまう。二人は小隊との合流を目指して夜の森を歩き出すが、 アリシアは脚を捻っており、ウェルキンの知識で森から薬草を得ながら進む。 警戒網を抜けた先に無人の山小屋があった。薬草での応急治療を施す中 アリシアは、なぜ自然に興味を持つようになったのかをウェルキンに訊ねる。 父さんの影響だと思う、とウェルキンは答える。父とよく遊びに行ったと。 父は悩んでいた。母は戦火で命を落とし、最愛の人すら守れなかった父は それでも周囲からは英雄と称えられ続けた。自分は何のために戦ったのか、 いつも苦しんでいた。でも、自然の中にいる時は明るくて元気な父だった。 「父さんを笑顔にしてくれるから、僕は自然を好きになったのかもしれない」 山小屋に一人の帝国兵が入ってくる。銃を構え、制止するウェルキン。 だが、そのままその場に倒れる帝国兵。負傷兵だと気づいた二人は何とか 手当てを試みるが、手の施しようがない。帝国兵は手を伸ばし、母を呼ぶ。 手を握り、大丈夫、ここにいる、と言ってやる事しかできないアリシア。 二人の見守る中で、負傷の帝国兵は息を引き取った。 一方、残された小隊の面々。二人を探すラルゴとロージー、捜索に参加せず エーデルワイス号の整備にかかりきりのイサラ。こんな時によく整備なんか していられるな、と言うロージーに、こんな時だからです、とイサラは答える。 いつ兄が帰ってきてもいいように準備を整えておく事が、今の自分にできる 最良の事だと思います、と。驚いた顔のロージーと、イサラを気遣うラルゴ。 翌朝、帝国兵を埋葬したアリシアとウェルキン。彼の銃を立て、ヘルメットを 置いた墓を前に、帝国兵も自分たちと同じ人間で、家族がいる事を実感する。 自分には家族がいない事を告白するアリシア。孤児院育ちで親を知らない。 でも悲しませる人がいないのなら、一人ぼっちも悪くないかも、と笑う彼女に 今は僕もイサラも、小隊の皆が君の家族じゃないかと言うウェルキン。 そこへ帝国の兵士と、士官が現れる。墓と、山小屋内の治療を跡を見て、 彼らは二人に感謝を述べ、危害を加えることもなく去っていく。 その後二人は近くで交戦中だった小隊と合流して帝国側戦力を撃退する。 二人を敬礼で迎える小隊員。ラルゴとロージーに、兄を探してくれた事への 礼を言うイサラ。ロージーはダルクス人に礼を言われても嬉しくない、と ソッポを向くが、それが単なる照れ隠しなのは傍目にも明らかだった。 65 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/11(水) 00 58 20 ID fL/xt6B40 【九章:七月事件】 日頃の戦果が認められ宮殿の晩餐会に招かれたバーロット、ウェルキン ファルディオの三人。ガリア公・ランドグリーズ家の現当主は弱冠16歳の コーデリア姫。彼女はヴァルキュリアの血を引いているとも言われていた。 前部中央にそびえる塔のため、一角獣に形容されるランドグリーズ城。 晩餐会は、ガリアと連邦の同盟を発表するためのものだった。 中立の国是を覆す同盟は、宰相ボルグと連邦大使の握手で締結される。 交わされる握手を表情もなく見る姫。ボルグと連邦大使が口を揃える、 ヨーロッパを我らの手に、という言葉に国を守りたいだけの義勇軍との 思いの剥離を覚える。不愉快な茶番だとファルディオは先に帰ってしまう。 晩餐会が終了し、帰ろうとしたところでバーロットが何者かとぶつかる。 翼を模し頭を覆う白の冠物に一角獣の額冠。なんと相手はコーデリア姫。 咎める様子もない姫に、ウェルキンは同盟に賛成なのですかと訊ねる。 晩餐会を見て姫の意思が無視されているような気がした、と。 姫は答える。国政は宰相に任せている。ガリアの地と、ヴァルキュリアの 血統を守るのが私の宿命。私の意思は必要ない。自らを傀儡と認め、 それを是とするコーデリア姫に言葉を失うウェルキン。 城を出るとダモン将軍が飛んでくる。姫が連邦大使に誘拐されたと言う。 一方、深夜の整備場。ガリア軍兵器の整備・開発を担当しているリオンと クライスが一機の飛行機を発見する。そしてそこにはイサラの姿が。 小さい頃空を飛びたいと言っていた兄の夢を叶えたくて、休日に少しずつ 作っていると言う。手伝いを申し出た二人に、イサラは礼を言って快諾。 そこに緊急出撃のサイレン。すぐにエーデルワイス号を出す事に。 逃走する装甲車を止め、なんとか姫を救出する第7小隊。助出された姫に いかに宿命が重くても、自身の意思を捨てないで下さいと言うウェルキン。 頷くコーデリア。 後日、ウェルキンは勲功賞を授与される。 授与の席でコーデリアは言う。まだ答えが出た訳ではないが、あれから ガリアの姫として、一人の人間としてどう生きるかを、ずっと考えていると。 小隊長室に戻ったウェルキンはファルディオの訪問を受ける。 ファルディオは今回の事件がボルグの圧力で報道されていないと言う。 帝国だけで手一杯の現状、連邦とまで事を構える訳には行かないからだ。 いかにガリアが弱い立場なのか思い知ったと言うファルディオ。更に軍さえ 一枚岩ではない。この国は大丈夫なんだろうか、と彼は懸念を口にする。 66 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/11(水) 01 00 56 ID fL/xt6B40 【十章:ファウゼン解放戦】 ガリア北部の工業都市ファウゼンの奪還に当たる事になった義勇軍。 ラグナイト産地であるファウゼンを奪還できれば国内の生産力を回復できる。 帝国軍が防衛に配備した装甲列車・エーゼルの破壊を任される第7小隊。 ファウゼンでは帝国によって狩り集められたダルクス人たちが、強制労働に 従事させられている。そのダルクス人の中に義勇軍の協力者がいるらしい。 そこでまたロージーとイサラの言い合い。ラルゴの仲裁も板に付いてきた。 夜陰に乗じてファウゼンに潜入し(戦車で潜入も何もないだろうとも思うが) 辿り着いたダルクス人収容所で小隊が見たのは、家畜のように扱われている ダルクス人たち。彼らのリーダーであるザカが、義勇軍の協力者だった。 目の当たりにしたダルクス人の現状に動揺しつつも、やはりダルクス人との 共同戦線は面白くないロージー。それを察したザカは好きなものはあるかと 彼女に尋ねる。意図を量りかねながらも、歌が好きだと答えたロージーに、 良いね、俺も好きだよと言うザカ。歌にも色々な物がある。それぞれ違うが、 それぞれ良さがある。人間も人種も、それと同じなんじゃないのか、と。 翌朝に作戦開始。装甲列車エーゼルはファウゼンの渓谷に掛かる高架上。 ザカが高架の支柱に爆弾を設置し、彼の退避を待って起爆する。 装甲列車エーゼルは高架と共に渓谷へと落下。エーゼルに搭乗していた 帝国軍北部ガリア侵攻部隊司令官ベルホルト・グレゴールも運命を共にした。 勝利した小隊に突如知らせが入る。帝国軍が、ダルクス人たちの宿舎に 火を放ったと言うのだ。駆けつけた小隊の前には焼け落ちた宿舎の跡だけが 広がっていた。黒焦げの残骸に歩み寄るロージー。彼女の目に映ったのは、 残骸の中、煤に汚れて落ちている人形。昨夜、宿舎で会った幼い少女が 手にしていた物だった。思わず人形を拾い上げ、復讐を叫ぶロージー。 その彼女を制止したのは、多くの同朋を宿舎ごと焼き殺されたザカだった。 暴力は暴力を呼ぶ。それでは争いは終わらない。例え迫害されていようと、 俺達は誇りをもって生きている。報復はしない、それがダルクス人の生き方だ。 そう言って一人残骸に入り、焼け崩れた柱を片付け始める。無言のまま 手伝いに進み出るイサラ。そして、そんな二人をロージーが手伝い始める。 ファウゼンを奪還し、帰還した第7小隊。開放されたダルクス人達の行く末を 案ずる彼らの前に義勇軍の軍服を纏ったザカが現れる。今日から義勇軍に 入り、しかも第7小隊に配属されたと言う。戦車兵の実戦経験もあるという 彼を加え、第7小隊にも二両目の戦車がやってくる事となった。 67 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/11(水) 01 03 34 ID fL/xt6B40 【十一章:マルベリー攻略戦】 今度の戦場はガリア北部のマルベリー海岸。砂浜の奥には断崖があり、 道も狭い上に断崖には銃座が設置されている、鉄壁ともいえる陣である。 明日は精霊節(大事な人に贈り物をする日)だというのに気が重くなる一同。 サロンで休憩中のラルゴとロージーに、イサラがある物を差し出す。 ファウゼンの収容所でも見た人形。それはダルクスに伝わるお守りだった。 それを二人に渡したいと言うイサラ。何で俺らに? とラルゴは尋ねる。 お二人と、ずっと仲良くなりたかった、と言うイサラ。精霊節にあやかって 大切なお二人と親しくなれればと思った、と。照れながら受け取るラルゴ。 だが、ロージーはそれを断る。ラルゴが宥めようとするが逆効果。むしろ はねつけるような言葉が飛び出してしまい、イサラは俯いて去ってしまう。 翌日、精霊節であり作戦当日。遅れて小隊長室に飛び込んで来たイサラは 煙幕弾が完成した、と言う。朝まで寝ないで作っていたらしいイサラは言う。 「私、第7小隊の皆が好きです。誰一人……死なせたくないんです」 小隊は煙幕によって銃座を無力化し、海岸の帝国軍拠点を制圧する。 戦闘が終わった後、いつも通りエーデルワイス号の点検をしているイサラに ロージーが近づく。その手にあるのは、昨日イサラが渡そうとした人形。 役に立ったよ、と言うロージーにイサラは驚く。持っていてくれたんですか、と。 お返しをしなくちゃな、というロージー。イサラは少し考えてから答えた。 「歌が好きだって仰ってましたよね。ロージーさんの歌、聞いてみたいです」 驚きながらも、分かった。約束するよ、と自分から手を差し出すロージー。 響く銃声。 イサラが倒れる。 他の小隊員が応戦する中で一人反応できないロージー。 「アタイ……まだアンタに、ありがとうを言えてないじゃないか!」 伸ばされた手を握る。「握手……できました、ね」 微笑むイサラ。 小隊の反撃に撤退していく帝国兵。皆がイサラとロージーに駆け寄る。 抱き起こすウェルキンに、一緒に飛行機で空を飛びたかった、と言うイサラ。 きっと一緒に飛べるさ。そう言った兄に微笑みかけて、ゆっくりと目を閉じる。 後日、戦没者墓地。ダルクスのストールを掛けられた真新しい墓に向かって 敬礼する義勇軍の面々。皆で彼女の願いを受け継ぎ、叶えていく事を誓う。 進み出たロージーが、約束していた通りに、墓前に歌を捧げる。 歌声は風に乗って、青空へと昇っていった。 68 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/11(水) 01 04 42 ID fL/xt6B40 今回ここまで。 ベルホルト・グレゴール少将、小隊への顔見せたったの一度で御退場 将軍クラスの敵さんの中ではぶっちゃけ一番影が薄いと思う 78 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/12(木) 21 59 00 ID nwb90YY40 戦ヴァル第四段投下。今回ちょっと断章が入ります。 本筋とはあまり関係の無いエピソードが幾つか断章として出てくるんですが 今回のこれはちょっと入れないと話がわからなくなるので。 79 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/12(木) 21 59 39 ID nwb90YY40 【十二章:ブルール奪還戦】 イサラを喪って三週間が過ぎた。第7小隊に与えられた新たな任務は、 バーロットがダモン将軍に上申し、許可を得たものだと言う。国境近くの街 ブルールの奪還。今は欠員となっているエーデルワイス号の操縦士として 整備開発部で働き、イサラとも顔なじみだったクライスが志願、配属される。 五ヶ月ぶりに戻ってきた故郷・ブルール。必ず帰ってこようと誓った場所だが 共にそれを約束したイサラは既にいない。しかし将軍に上申してまで今回の 攻略目標をブルールと決定したバーロットの気遣いを無駄にしないためにも 今はイサラの、そして自分達の故郷を取り戻そうと決意するウェルキン。 一方、今回の作戦に参加しないファルディオは、バリアス砂漠の遺跡にいた。 あの時 “螺旋” の奥にあった文字を「読めない」と答えたが、実は読めていた。 濁してしまったのは内容があまりに衝撃的だったためだ。そしてその内容故に “螺旋” をヴァルキュリア人だけが開ける門なのだろうと結論するファルディオ。 ならばそれを開いたアリシアは…… ファルディオは苦悩する。自分は一体どうするべきなのか。 ブルールを奪還した第7小隊。初めて出会った丘から街を見渡すウェルキンと アリシア。住民も少なく、親子風車も壊れたままの街に寂しさを覚える。 ふと、小さな白い花を見つけたウェルキン。アリシアを呼び、見せたそれは コナユキソウの花だった。二人が出会った時にアリシアが捲いた種が根をはり 花を咲かせていた。「新しい命も、この時代に生まれている」 実感する二人。 ブルールの奪還で目標を再確認したウェルキン、中隊に戻ったファルディオに バーロットはガリア北東部の平原・ナジアルに帝国軍が結集していると告げる。 この戦がガリアの運命を決めると予想し、休息の後ナジアルへ移動する事に。 その夜。丘の上のエーデルワイス号と、その上に座るウェルキンとアリシア。 またたくさんの命が喪われる、と言うアリシアに頷くウェルキン。喪ったものは 戻らない。でも、アリシアが教えてくれたように、新しいものを育むことはできる。 次の戦いで勝てれば戦争も終わりに近づく。そうしたらブルールを復興しよう。 自分にとっての、お互いの存在の大きさを確認しあう二人。アリシアは言う。 「この戦いが終ったら……あなたに、伝えたい事があるの」 余談:ブルールを奪還した時点で、エレットが発行している壁新聞に ランドグリーズ大学からヴァルキュリアの槍と盾と考えられていた 古代の遺物2点が盗まれたという記事が載る。 81 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/12(木) 22 00 20 ID nwb90YY40 【十三章:ナジアル会戦(前編)】 ガリア・帝国両軍の主力部隊が集結するナジアル平原。 総兵力で帝国軍に大きく劣るガリア軍だが、総司令官ダモン将軍はコネ就任の ダメ司令っぷりを発揮して総攻撃を命令。バーロットの諫言など意にも介さない。 待機中の第7小隊。帝国軍の大兵力を前に、空気は重い。そんな中で、自分の 身の上を話し出すアリシア。ずっと一人ぼっちだと思っていた。でもウェルキンが 第7小隊の皆が私の家族なんだと言ってくれた。戦いの前は、やっぱり怖い。 「……でも、家族が一緒にいてくれるって考えると、頑張れる気がするんだ」 その言葉に小隊はいつもの明るさを取り戻し、戦いに臨む覚悟を新たにする。 一方帝国側。ガリア軍を蹴散らし殿下をランドグリーズへ、と息巻くセルべリア。 物心つかぬ内から実験施設に送られ、兵器として実験材料にされていた彼女は 初めて自分をそこから連れ出し、人間らしい生活を与えてくれたマクシミリアンに 絶対の忠誠を誓っていた。彼のためにヴァルキュリアとしての力を覚醒させようと 自ら胸を貫きさえした。 「必ずや、余に勝利をもたらせ」 というマクシミリアンの 言葉を受け取って、セルベリアが出撃する。 古代の石槍・石盾を手に陣頭に立つセルベリア。全身から青い光を放って 無謀な全面攻勢をかけるガリア軍を蹂躙する。戦車ですら足止めにもならない。 第7小隊の担当区域は離れているものの、帝国軍は区域全体にロケット砲での 砲撃を加えており、これを避けようの無い戦車は出撃ができない。 前大戦の名残でもある幾多の塹壕を通って、まず砲撃の照準情報を送っている 中間拠点を制圧。砲撃が止んだ所でウェルキン&クライス、ザカの戦車が出撃。 だが同時に、他区域のガリア軍を撃滅したセルベリアが現れる。 やはりセルベリアに対しては勝機が見出せない小隊。セルベリアにこちら側の 本拠点を制圧される前に帝国側の拠点を制圧する事で、なんとかセルベリアを 退かせる事に成功する。だが、ガリア軍側にできたのはたったのそれだけ。 ヴァルキュリアの力と、あまりに甚大な被害に呆然とする一同。 帝国軍が撤退したとは言え、このままでは拠点を維持する事も難しいと判断した ウェルキンは、後方部隊に支援を要請しようとする。応じてアリシアが小隊員を 集めようとしたとき、一発の銃声が暗天を貫いた。その場に倒れるアリシア。 ウェルキンが駆け寄り、小隊は警戒体勢に入るが帝国兵の姿はどこにもない。 82 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/12(木) 22 00 59 ID nwb90YY40 【十四章:ナジアル会戦(後編)】 撤退した第7小隊。幸い急所は外れていたもののアリシアは意識不明の重体。 治療所のテントを出ようとするウェルキンに衛生兵が声をかける。人目を避けての 報告は、アリシアの体内から摘出された弾が帝国軍のものではなく、ガリア軍の 狙撃銃のものだった、というもの。しかもまだ一般兵には渡っていない新型銃弾。 つまり、彼女を撃ったのは味方である可能性があるという事だった。 ガリア軍の作戦会議室。兵士を役立たずと罵るダモン将軍。ここは一旦退いて ヴァルキュリアへの対策を、というバーロットの言葉は相変わらず無視される。 退けば自分の指揮能力を疑われる、というだけの理由で、ダモンは明日正午に 再び帝国軍陣地に総攻撃を加えよと命令する。このままではガリア軍は全滅。 どうしたらいいの、と呟くバーロット。 治療所のテントに踏み込む人影がある。眠るアリシアの胸元に置かれるのは 巻貝にも似た螺旋状の石槍。石槍が放った青い光がアリシアを包んでいく。 再び帝国軍の陣頭に立つセルベリア。ヴァルキュリアの光にたじろぐガリア軍。 その背後から一人の少女が進み出る。茶色の髪を銀に、茶色の瞳を赤に染め、 光を纏ったアリシア。髪も瞳も光も、全ての色がセルベリアと酷似している。 もう一人のヴァルキュリアの存在を知ったセルベリアはアリシアに戦いを挑む。 応じるアリシアは、意識も無いのか頼りなくふらつく足取りでガリア軍の前へ。 だが、瞳の焦点すら合っていないアリシアはあっさりとセルベリアを下す。 続けて、やはり無意識のまま帝国軍の戦車や銃座を破壊していくアリシア。 小隊は拠点を制圧するが、アリシアは途中で力を使い果たしたように倒れ、 気を失う。すぐに彼女を回収し退避させるウェルキン。 その時、戦場の両端に帝国の戦車と歩兵の増援が現れる。敵の挟み撃ちに 遭いながらも、何とか両戦車を破壊する第7小隊。 もう一人のヴァルキュリアの出現という予期せぬ事態で、大きな戦力差を覆し 勝利を収めたガリア軍。しかし、アリシアは何があったのかを覚えていない。 傷は何時の間にか治ってしまっているし、周りの人の態度がいつもと違う。 自分に何があったのかを尋ねられ、どう答えていいか分からないウェルキン。 余談:ここで章は切れてるけど、後の会話を見るにどうやら説明はした模様 83 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/12(木) 22 01 36 ID nwb90YY40 【断章:決別】 ウェルキンの元にクライスがやってくる。携えてきたのは先日の弾丸と、その 出所の調査結果。やはり結果はガリア軍で開発中の新型狙撃銃の弾丸。 そしてその銃を事件前夜に借出した者がいる、という記録。記録にある名は ファルディオ・ランツァート少尉。驚くウェルキンの前に並べられる情報は しかし全てがファルディオへの疑惑を裏付けるものばかり。 信じたくない思いでファルディオの部屋を訪ねるウェルキン。留守の部屋内で ウェルキンが見たのは、所狭しと並ぶヴァルキュリア人関連の文献・研究書。 そして机の上にあるメモ。 アリシアをヴァルキュリア人と断じたファルディオが、彼女を覚醒させるための 計画の概要をまとめ、それを実行した事を告白するものだった。 ヴァルキュリア人としての力に覚醒するには、命に関わる傷を負うことが条件。 親友の恋人を撃ったことを後悔した。しかし、今はこれでよかったと思っている。 そう、メモは締めくくられていた。 ファルディオはバーロットに呼び出されて行った、と聞いたウェルキン。 中隊長室に入るなり当人に疑惑をぶつける。言い訳もなく認めるファルディオ。 そんな彼をウェルキンは殴り胸倉を掴む。何故アリシアを撃った、という問いに ガリアのためだ、と答えるファルディオ。アリシアの力が無ければ勝てなかった。 今だけの事じゃない。二つの強国の狭間にあるガリアが生き残っていくには ヴァルキュリアの力が、切り札が必要だ。 ウェルキンはその言葉を否定する。 強い力を持っても戦争は終らない。相手がそれ以上の力を持とうとするだけだ! 二人の争いをバーロットが止める。きっとどちらの言う事も間違いで、どちらの 言う事も正しい。だが、いかなる理由があろうと仲間を撃った罪は許されない。 軍規に基づきファルディオは逮捕監禁。 ウェルキンには私闘を行った罪で独房24時間収監が言い渡される。 余談:メモに遺跡の “螺旋” の奥の壁に書かれていた内容も記されている。 「ダルクスの災厄」の真実。実は災厄を振りまいたのはヴァルキュリア人で この地の先住民だったダルクス人を焼き払い、平定した後にその責任を 敗者であるダルクス人に転嫁した。以来、ダルクス人は呪われた民となり ヴァルキュリア人は救世主となった──というもの。 他民族には偽の歴史を、ヴァルキュリア人だけに真実の歴史を伝えるため バリアスの遺跡が作られたものと思われる。 84 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/12(木) 22 03 28 ID nwb90YY40 今回ここまで。 断章は他にもあって、中には戦闘が起きるものもあり。 小隊の休暇風景だったり、ラルゴが野菜のために戦車を破壊する話だったり バーロットが前大戦での因縁の相手に復讐をはたそうとする話だったり ダルクス狩りの帝国軍を倒す作戦をロージーが進んで受ける話だったり あとはまぁ、アリシアとウェルキンが仲良くしてる話だったりと色々。 87 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/14(土) 08 13 25 ID GMNM86TZ0 連続でしかも朝っぱらから戦ヴァル投下。 今回分で終るかと思ったら終らなかった。 88 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/14(土) 08 14 22 ID GMNM86TZ0 【十五章:ギルランダイオ要塞戦】 国境のギルランダイオ要塞が、ガリアにおける帝国最後の拠点となった。 要塞へ通じる輸送線路に、爆薬を載せた車両を走らせて要塞正門を爆破する、 そのために線路のポイントを切り替えろという命令が義勇軍に下る。 帝国側。どうか今一度機会を、殿下の為に戦わせて下さいと言うセルベリアに マクシミリアンは告げる。この地に集ったガリア軍の主力を、ヴァルキュリアの “最期の炎” をもって殲滅せよ。愕然とするセルベリア。 ランドグリーズから使者が来ている、と言うイェーガーに、待たせておけと言い 一度本国に戻る、と言うマクシミリアン。膝をつくセルベリアに振り向かぬまま マクシミリアンは去る。彼女を一瞥し、すまん、と呟いてイェーガーも出て行く。 探しに来たウェルキンを前に無理に明るく振舞うアリシア。コナユキソウの花を ウェルキンの胸元に挿し「いい感じだよ」と笑うが、不意に俯いて縋り付く。 ファルディオの事を聞いた、陣中を歩いていると皆が自分を拝む、と言う。 どうしたらいいのか、これからどうやって生きていけばいいのか分からない、と。 だがウェルキンが答える前に、無理な笑顔を作って逃げるように去ってしまう。 作戦開始。全てのポイントを切り替え、爆弾列車を要塞に導く事に成功すると 城壁上にセルベリアが現れる。ヴァルキュリアとして敗北した上は、人として 戦いを挑むと言うセルベリア。なんとか撃破する小隊。 ヴァルキュリアである事にどうして耐えられるのですか? と尋ねるアリシア。 愛する人がいるからだ、とセルベリアは答える。そこにダモン将軍が現れる。 セルベリアは捕虜となった部下には手を掛けないで欲しい、そしてできれば 彼らの護送を義勇軍に頼みたい、とダモンに願い出る。了承するダモン。 連行の直前、セルベリアはアリシアに言う。私は自分の人生に答えを出した。 もう会うことも無いだろうが、お前がどういう答えを出すのか興味がある、と。 司令官の椅子にご満悦なダモン。その前に捕らえられていたセルベリアが 突如戒めを引き千切る。驚いたダモンは即座に兵士に射殺を命じた。 そして、ヴァルキュリア人が死ぬ瞬間に発動される、最期の炎が要塞を包む。 「マクシミリアン様……どうか、栄光をその手に!」 ガリア軍主力の全てを巻き込んで、ギルランダイオ要塞は吹き飛んだ。 捕虜護送のため要塞を離れていた義勇軍中隊の中、アリシアは呆然とする。 これがセルベリアの出した答えなのか。更ににそこへ緊急入電。正体不明の 巨大兵器がクローデンの森を突破して、首都ランドグリーズへと向かっている。 89 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/14(土) 08 15 33 ID GMNM86TZ0 【十六章:「乙女の盾」作戦】 森を破壊しながら首都ランドグリーズへ進む巨体。既に戦車ですらないそれは 帝国軍の陸上戦艦・マーモット。その艦橋でギルランダイオ要塞とガリア軍の 主力部隊消滅の報告を受けるマクシミリアン。表情には何の感動も無い。 義勇軍は首都防衛大隊と共同でマーモットを枯れ谷へと誘い込み、地雷原に 誘導した上で首都防衛大隊の火力をぶつける作戦に出る。 考え込むウェルキンに物言いたげなアリシア。だが結局彼女は何も言わない。 首都ランドグリーズ。報告を受けたコーデリア姫は自ら出陣する意思を固める。 だがそれを阻む者がいた。宰相ボルグ。姫の身を「大事な取引材料」と評する ボルグをコーデリアは睨み付ける。この国を帝国に売り渡すつもりか、と。 ボルグは、ガリアは新たな国に生まれ変わると言う。それも己が統治の下で。 一方の義勇軍側。爆薬で崖崩れを起こし、マーモットの進路を誘導する事には 成功するものの、ガリア軍全火力を以ってしてもマーモットには歯が立たない。 そんな中、崩壊する戦線を悠然と突っ切るマーモットの前にアリシアが立った。 思わずエーデルワイス号を飛び出し、彼女の下へ走るウェルキン。 再びヴァルキュリアの色と光を纏ったアリシアは、マーモットの砲撃を掻い潜り 右手の石槍を投擲。槍はマーモットの装甲を易々と貫き爆発を引き起こす。 「私は、ヴァルキュリア……もう、皆と一緒にはいられない……」 炎のように膨れ上がる青い光を纏ってアリシアは歩み続ける。 彼女の姿に不吉な物を覚えるマクシミリアン。マーモットは全速で離脱を図る。 マーモットが回頭していくのを前に、一度は砲撃で吹き飛ばされたウェルキンが ようやくアリシアに追いつく。私が死ねば沢山の人が助かる、と言うアリシアに そんな力で勝ったって本当の勝利じゃない、と叫ぶウェルキン。自分達の力で 掴み取らなければダメだと。でも、私は貴方たちとは違うと言うアリシア。確かに 君は僕達とは違う力を持っている。でもアリシアはアリシアだと言うウェルキン。 そして彼は言う。僕は君を愛している、と。 ギルランダイオ要塞に向かう前に、アリシアが挿してくれたコナユキソウの花を 胸元から抜き、茎で輪を作ってアリシアの左手を取り、薬指に通す。 「戦いが終ったら、一緒に暮らそう。僕はずっと……君と一緒にいたい」 二人の口付けと共にヴァルキュリアの青い光は緑光となって弾け、消えた。 小隊員に冷やかされつつも暖かく迎えられる二人。 全員が揃った第7小隊はマーモットを追撃し、首都ランドグリーズへ向かう。 90 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/14(土) 08 17 03 ID GMNM86TZ0 【十七章:ヴァーゼル橋突破戦】 首都を目指す義勇軍中隊はヴァーゼル市街に到達。以前西から東へと進軍し 奪還したヴァーゼル橋を今度は逆に渡る事になる。街には帝国軍の戦車隊と 彼らを率いるラディ・イェーガー当人が駆る新型戦車・ケーニヒヴォルフ。 その強固な装甲を何とか破壊し、イェーガーを撃破する小隊。 義勇軍勝利で戦いの終ったヴァーゼル市街地。大破したケーニヒヴォルフを 見上げながら撤退完了の報告を聞くイェーガーは、報告に来たその兵士にも ランドグリーズへ脱出しろと言う。そして、自身はもう帝国には戻らないとも。 自分はマクシミリアンの力に、故国の独立と復興を賭けた。軍事力こそが 国を護るための力だと思っていた。だが本当に必要だったのは故郷や仲間を 思う心なのではないか。イェーガーは兵士にマクシミリアンへの伝言を託す。 「真に強きものは弾丸に非ず。マーモットと聖槍を過信するなかれ」 見送る兵士の敬礼を背に受け、イェーガーは黒煙の中に姿を消す。 ヴァーゼル橋を渡り、やっとランドグリーズへ進撃が可能になった義勇軍に とうとうマーモットが首都に到達、城門を破り城に突入したと知らせが入る。 (本当に街の大通りを驀進して城の前部に艦首を突っ込むという暴虐っぷり) 余談:人物総覧ではイェーガーはこれ以降消息不明、となっている。 マクシミリアンに伝言が伝わったか否かは不明。たぶん伝わってないぽ。 まぁ伝わってても何も変わらなかった気もするが。 91 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/14(土) 08 19 19 ID GMNM86TZ0 3将が全員退場して今回ここまで。 次回で終ります。 106 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 23 45 01 ID 22BytXjO0 戦ヴァル最後投下ー 107 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/15(日) 23 45 34 ID 22BytXjO0 【終章:最終決戦】 とうとう帝国の突入を許してしまったランドグリーズ城。コーデリア姫の前に 正装(たぶん)のマクシミリアンが現れる。宰相ボルグは姫の了承も得ずに 無条件降伏・帝国への従属等を申し出るが、マクシミリアンはガリアに 帝国の属国になれとは言わない、という。彼は自らがガリアの大公となり、 ランドグリーズ城に眠る “聖槍” を以って大陸に覇を称えんとしていた。 今も威光衰えぬヴァルキュリアの血統は我が妻に相応しい、とコーデリアに 婚姻を迫るマクシミリアン。その目前でコーデリアは冠物を脱ぎ捨てる。 頬に落ちたのは、セルベリアと同じ銀の髪……ではなく、イサラやザカと同じ 紺色の髪。ガリア公ランドグリーズ家は、ダルクス人の血統だったのだ。 コーデリアは語る。数千年前、北方からの侵略者・ヴァルキュリア人に対して ダルクス人は抵抗した。だがその力の前に次第に追い詰められ、そして遂に ある有力な豪族がヴァルキュリア人に寝返るに至り、ダルクス人は敗北した。 その “ダルクスを裏切った豪族” と言うのが即ち、ランドグリーズ家。 裏切りの褒章として、ヴァルキュリア人からガリアの統治を任されたのだ。 偽りをもって国を統治することに悩み、いつしか考える事も、意思を持つ事も 放棄するようになった。だがある将校と出会って、その過ちに気付かされた。 そう言って、コーデリアは短剣を抜く。だがやはりマクシミリアンは倒せない。 その頃、軍刑務所内のファルディオ。ランドグリーズ城に帝国戦艦が突っ込み そのまま何やら工事をしているらしい、と聞いてすぐにその目的に思い当たる。 こんな所にいる場合ではないと仮病を使って脱獄する。 コーデリアに対し、婚姻証書への署名を強要するマクシミリアン。 そこへヴァーゼル防衛部隊の敗北と、義勇軍中隊進撃の知らせが入る。 そして首都に流れるラジオ放送。人々に希望を知らせるその声は従軍記者 エレットのもの。マクシミリアンはマーモットでの出撃を決意。相も変わらず おべっかを述べる宰相ボルグを「信用できん」として、兵士に銃殺を命じる。 マーモットが動き出す。後退する動きに合わせ、城の前部にあった尖塔が 引き出される。崩れる塔の中から現れたのはヴァルキュリアの石槍。しかし その大きさはセルベリアやアリシアが使った物とは比べ物にならない。 マーモットはその背に巨大な石槍を載せる。そのためのマーモットだった。 “聖槍” の巨大な光はマーモット正面に展開していた義勇軍第4・第5小隊を 消滅させ、大地を一直線に焼き、遥か彼方の山を砕く。 いち早く退避していた第7小隊は、コーデリア姫の援護を受けつつ側面から 機銃の雨を掻い潜ってマーモットに取り付き、何とか “聖槍” を破壊する。 108 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/15(日) 23 46 06 ID 22BytXjO0 【終章:最終決戦】 ……の続き 停止したマーモットの機関部を探して上部甲板に登る第7小隊の面々。 その前に立つマクシミリアン。携えるのは機械式のヴァルキュリアの槍と盾。 単身で現れた彼に、なぜここまでして戦う必要があるのかと問うアリシア。 マクシミリアンは答える。己の野望のため、そして帝国に復讐するためだ、と。 帝国皇帝の息子として生まれながらも、母の身分が低いために疎んじられ、 皇位継承を巡る争いによって謀殺されかけた。母を始め多くの人が死んだ。 その時に帝国と、その帝位を奪う事を誓ったのだと。 「余の戦いは、まだ終ってはいない!」 撃破されても敗北を認めないマクシミリアン。人造とはいえヴァルキュリアの 力を持つ彼は、命を賭した “最期の炎” を以って全てを焦土と化そうとする。 だが、突然マーモットからのラグナイト供給が停止し、力は失われる。 動揺するマクシミリアンを背後から捕らえたのは、軍刑務所を脱獄した後に マーモットに潜入し、ラグナイト供給を停止させた張本人・ファルディオだった。 ファルディオはそのままマクシミリアンを甲板前部の縦孔へと引き摺っていく。 仲間を撃った罪滅ぼしだと言い、ウェルキンとアリシアの二人に「幸せにな」 と言い残して、マクシミリアンもろともファルディオは縦孔へ身を投げた。 縦孔から膨大なラグナイト光が吹き上がる。爆発で生じた炎が小隊を分断。 ウェルキンとアリシアは甲板前部に取り残されてしまう。最後の命令として 炎の向こうの小隊員に脱出を命じるウェルキン。二人は何とかならないかと 艦橋部に登るが、それでも炎は迫り、飛び降りるにも大地は遠すぎる。 死を覚悟した二人に、突然空から声がかかった。 見上げた先には一機の飛行機。操縦するのは整備開発部員のリオン。 そして飛び来る機体に書かれているのは、今は亡きイサラの名。 間一髪で救出された二人に、リオンは言う。イサラがいなくなってしまった後 整備員だけでなく、小隊のみんなで少しずつ作り続けていたのだと。 皆に受け継がれ完成されたイサラの飛行機で、二人はガリアの大地に戻る。 109 :戦場のヴァルキュリア:2009/02/15(日) 23 46 38 ID 22BytXjO0 【ED】 この戦いの後、ガリア公国と帝国との間で休戦協定が締結。 終戦と共に義勇軍・第7小隊も解散した。 退役して農業を始めたラルゴ。その彼と結婚したエレノア(=バーロット) 歌姫としてヨーロッパを巡りつつ、イサラの命日には必ず帰国するロージー。 持ち前の技術力を活かしてファウゼンに玩具工房を開いたザカ。 真実を公開しながらもその誠実さで支持を受け、ガリアを統治するコーデリア。 そして惜しまれつつも軍を退役し、ブルールに戻って教師となったウェルキン。 彼の妻としてパン屋を経営するアリシア。その足元にはハネブタのハンス。 アリシアの移動式のパン屋の中には、母を手伝う娘の姿が。 教え子と虫を捕りに行く約束をして帰ってきたウェルキンが娘に声をかける。 「イサラ、いい子にしてたかい?」 エーデルワイス号を背景に、ファルディオやバーロット、もう一人のイサラと 第7小隊の面々が揃った写真が、パン屋のカウンターに飾られている。 -END 110 :ゲーム好き名無しさん:2009/02/15(日) 23 53 53 ID 22BytXjO0 以上で戦場のヴァルキュリア終了 EDのラルゴとバーロットが何か唐突に見えるけど この二人は前大戦の頃兵士として同じ部隊に所属してて ゲーム内でもそこそこ仲が良い&進展してます 断章でしか語られてないから書く機会が無かったけど 次回作の要望とか出てるらしいですが もし出るならフィラルド独立戦線でイェーガーにコキ使われる 小隊長がやりたい俺イェーガー大スキー
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明日の鶴田謙二先生サイン会の会場には、現在出版社に在庫のある既刊作品も並べております。サイン会の2日後11/21についに発売される『冒険エレキテ島』2巻には、当店限定のメッセージペーパーを描き下していただきました。その原画をサイン会会場に展示しておりますので、ご覧になって下さい。 pic.twitter.com/xlu1CTaoDz — 丸善お茶の水店 (@Ocha_MARUZEN) 2017年11月18日 サイン会に参加しない方も、イラストを見に来てみてはいかがでしょうか。 明日の鶴田謙二先生サイン会の会場設営がほぼ完了しました。2階コミック売場の奥の特設会場です。整理券はまだ余裕があります。サイン会限定の描き下しあとがきペーパーと表紙ラフのモノクロイラストシートの2大特典が付きます。ご参加をお待ちいたしております。https //t.co/kllL9f5qL4 pic.twitter.com/VnJbOyaESU — 丸善お茶の水店 (@Ocha_MARUZEN) 2017年11月18日 明日の鶴田謙二先生のサイン会の準備が着々と進行中です。直前ですが、鶴田先生からうれしいお知らせが!サイン会の為にあとがきペーパーを描き下して下さるそうです。特典イラストシートと共に参加者の皆さんにお渡しします。整理券はまだ余裕があります。お問合せ、ご参加をお待ちいたしております。 pic.twitter.com/fj9ML3n0bY — 丸善お茶の水店 (@Ocha_MARUZEN) 2017年11月18日 名前 コメント
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代々剣龍・ヴァルキリア・四代目 SR 火 (14) 進化クリーチャー:フォース・コマンド・ドラゴン 17000 進化―サード・コマンド・ドラゴン1体の上に置く。 ■このクリーチャーが攻撃するとき、次のうちいずれかひとつ選ぶ。または両方を選んでもよい。 ►コスト9以下の進化ではないクリーチャーを1体自分のマナゾーンからバトルゾーンに出す。 ►バトルゾーンにあるコスト10以下のカードを1枚選び墓地に置く。 ■T・ブレイカー ■このクリーチャーを相手が選ぶとき、自分の山札を見てもよい。その中から名前に《ケンゲキオージャ》または《超剣龍》、《神剣龍》とあるクリーチャーを1体選び、このクリーチャーの上に置いてもよい。その後、山札をシャッフルする。《ケンゲキオージャ》を選んだ場合、このクリーチャーは名前に《ゴウケンオー》を追加する。 作者:viblord フレーバーテキスト 評価 汚いデザイン。《ケンゲキオージャ》絡みの効果のせいで。 -- 名無しさん (2015-09-10 01 22 18) ↑1まぁ分からなくもない。けど、いきなり「汚いデザイン。」はどうかと思うよ。 -- 808 (2015-09-11 00 21 17) 名前 コメント
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Civil Registrar(パイオニア・ワークス) Civil Registrar(ピースキーパー・ワークス) Civil Registrar(クーリエ・ワークス) Civil Registrar(スカウト・ワークス) Civil Registrar(インベンター・ワークス) Civil Registrar(マッマーズ・ワークス)
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437 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/09/03(木) 08 36 49 ID 8NXht0uw0 投下終了です。 国王陛下がご乱心のリンド王国にも、色々な人が居るという事で。 443 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/09/05(土) 12 33 28 ID 8NXht0uw0 本編の続きを書いているのですが、リンド国王がもうハチャメチャで、よく今までこの国保ってたなと……。 438 皇国は確かに男性優位の社会ですが、男尊女卑までは行っていないと思います。 男性は外に出て働いて、女性は家を守ると言う考えが男尊女卑と言うなら、男尊女卑かもしれませんが。 爵位を継げるのは男性だけというのも、男尊女卑になるでしょうか。 ちなみに、皇国軍には女性兵士は一人もおりません。 皇国の法律でも、徴兵義務があるのは男性だけです。 ただし参政権は男女平等です。 男が立派に戦える(働ける)のは、女の支えあっての事なのだから、女性にも参政権が あっていいだろうという風潮が強まり、昭和5年から実施されています。 F世界全体で見ても、男尊女卑かどうかは解りませんが男性優位は動きません。 ユラ教の高位神官は必ず男性。特に教皇は皇国と同様に男系男子の世襲でないといけません。 国軍の軍人は99.9%以上が男性で、稀に女性もいますがこれは傭兵だったり、 何かやらかして罰として軍隊に入営させられて、十中八九慰み者になるものです。 イルフェス軍の総司令官が王女で、しかもその王女がポケットマネーで女性だけの 連隊を編制しているというのは、F世界基準で見てもかなり異例です。 439 ユラ神国や、イルフェス王国等でも同様の研究をしている人はいるので、100年以内には産業革命が起こっていたでしょう。 440 しかも何故か成功しそうです。 441 世界で最も人口が多く、最も整備された市場は皇国ですね。 442 弟子たちも「俺達、何やらされてるんだろう……」って思いはあるでしょうね。 普通に水汲んだほうが早いじゃんというのは、少しすれば誰でも気付く事ですから。 それに大量の薪を蒸気圧が丁度良くなるように投入しないといけない、完全な肉体労働。 476 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/09/20(日) 22 20 08 ID 8NXht0uw0 お久しぶりです。303です。 対リンド王国戦も、自分の頭の中では終わりが見えてきてしまって、さてその次をどうしようと悩んでいます。 始めに「完結させる」と言った以上、対リンド戦までは完結させるつもりではいるのですが、対リンド戦の「その次」が見えない(ある意味スランプ?)という理由で、本編ではなく小ネタの方ばかり書いてしまっています。 なので、本編の投下はまだ先になりそうです。すみません。 過去の作者様の復帰や、新たな作者様の登場を待ち望んでいるのは私も同じです。 雑談でもしながら気長にお待ち頂けると幸いです。 472 バイオハザードとかウィルスや細菌による災害を考えてたら、異世界ものの話なんてなかなか考えづらくなるがな。 「F世界の奇病に苦しむ皇国軍(奮闘する軍医や本国の医療機関)」の話とかも、素案はあるのですが、需要があるのかどうか自信が無くて……。 481 :303 ◆CFYEo93rhU:2009/09/21(月) 21 32 41 ID 8NXht0uw0 ご意見ありがとうございます。 477 近くに神賜島という資源の宝庫があるのに、世界征服する意義が見出せないんです。 大陸のレアメタルや石油などが欲しいのであれば、出かけていってその国を皇国の領土(邦国)にして…… なんてするよりも、平和裏に調査団を派遣して採掘権や鉄道経営権を皇国資本で投資した方が安上がりでしょうから。 何より、邦国が増える=防衛すべき地域が増える=軍事費増大の自滅パターンなのではないかと……。 実際、転移後の皇国陸軍は広大な満州防衛という任務から解放されてホッとしていましたから。 478 479 ペニシリンなんかは普通に量産(といっても皇国的な感覚で言う量産で、アメリカやドイツ並ではない)されています。 治療と言ったら「瀉血か切断」のF世界に比べれば100年以上先を行っているものの、元世界のアメリカやドイツ並の 高度な医療機関や医療器具、医師の数は少ないですね。勿論、個人単位では非常に優秀な医師も大勢居ますが、 現代医療は1人の医師の“医術”に頼るものではありませんから、まあ欧米に比べれば遅れています。 続きとして内政ものですか。 話が淡々となりすぎて上手く書けるかどうか(まあ、今でも戦闘シーンとかそんなに上手く書けている気はしませんが)ですが、挑戦してみます。 480 足場固めは良いのですが、全力戦争は難しいんですよね。 街道の数や能力から、輜重段列の能力が制限される。さらに前線は拠点(港)からの 距離があるので、多数の陸軍を派遣すると補給が破綻してしまう可能性があるのです。 補給物資の殆どを食糧(飼葉)にするなら、50万くらいの派遣も大丈夫かもですが、弾薬の補給をどうするのかという問題が。 圧倒的な鉄量が皇国軍の原動力ですし、弾薬不足で皆して銃剣突撃とかは……それはそれで面白い? F世界列強国の常備軍(陸軍)は10万~20万程度、最大限に動員しても40万~50万くらいが 限度ですので、何十万という過剰な戦力投入は意味があるのかな? と悩んでいます。 そもそも、皇国は元世界で日中戦争してませんでしたし、日ソ戦争もまだ始まっていない 準戦時体制で、常備師団の数も史実の昭和15年頃に比べるとかなり少ないのです。 だから何十万も派遣したら、本国が空っぽになってしまいます。 そのために動員を増やすのは本末転倒ですし。 海軍だと、第一艦隊とか第一航空艦隊を全力で動かすのはオーバーキルではないか? という思いが常にあるんですよね。 特に超弩級戦艦群や大型空母群は、「秘密兵器」にしておきたいから安易に出したくないという思いも。 正規空母10隻、艦載機600機による大空襲! とかも書いてみたいのは事実ですが。 ん? 現状で既にオーバーキルですか? 確かに……。